痛い突っ込みをスマートに切り返すための、面接想定問答の作り方

2019年3月5日

なぜ自己アピールに、突っ込んだ質問をされるのか。

 

どんなに完璧な自己アピールをしようと、雑な自己アピールをしようと、

面接では必ず、面接官に突っ込んだ質問がされます。

 

突っ込んだ質問をすることで、

 

1.どこまで物事を深く考えているのか

2.どういう考え方をする人間なのか

3.1と2を総合して、自社が求める人材像なのかどうか

 

以上の、「3つの採用ポイント」を探ろうとしているのです。

 

なぜ「1.どこまで物事を深く考えているのか」を探るのか。

 

まず、「3つの採用ポイント」の1つめについて。

 

自己アピールするほどのことなのに、突っ込んだ質問にちゃんと答えられなかったら、

全くの考え無しか、あるいは嘘をついているのではないか?と考えられます。

そんな人を雇っても、考え無しに仕事をしたり、嘘をついてごまかそうとしたりするでしょう。

 

仮に質問に答えられても、その内容があまりに浅い内容だったり

どこかで聞いたことがあるような、誰かの丸パクリの考えだったとしたら

その人を雇っても、コピペの仕事をしたり、浅い考えの仕事しかしないでしょう。

 

逆に、きちんと論理的に、自分なりの価値観のある深い考えをもっていたなら、

その人を雇えば、仕事でも同様にしっかり考え、成果を出してくれるでしょう。

 

このように、ちゃんと仕事ができる奴かどうかを判断する為に、

突っ込んだ質問をして「どこまで物事を深く考えているか」を探っているのです。

 

なぜ「2.どういう考え方をする人間なのか」を探るのか。

 

「3つの採用ポイント」のうち、2つめ。

 

1で、嘘つきや考え無し、考えの浅い人間は排除しました。

次に、「どういう考え方をする人間なのか」を探るために、突っ込んだ質問をします。

 

例えば銀行は、「不正」や「どんぶり勘定」のような考え方を、極端に嫌います。

扱う額が大きく、法的な制約の強い業界なので

いい加減なことを言ったりしてちょっと何かあれば、一瞬で数億円が吹っ飛ぶからです。

 

なので、1で倫理観やモラルの低い考え方が見て取れた場合、即アウトです。

 

このように、各業界それぞれで

必要な考え方、適した考え方、というものがあります。

より確実に内定を取るためには、こうした「考え方」の適正もアピールすると良いでしょう。

 

なぜ「3.1と2を総合して、自社が求める人材像なのかどうか」を探るのか。

 

「3つの採用ポイント」のうち、最後のポイント。

 

1と2を総合すると、

1で仕事ができなさそうな奴/不正をしそうな奴を排除ができ、

2で適性がなさそうな奴を排除ができます。

 

つまり残るのは、

仕事ができて適性がある人間=自社が求める人物像だけ

という話になるわけです。

 

面接官の仕事は、「自社が求める人物像」にあてはまる学生を

面接を通じて見つけ出し、採用することにありますからね。

だから、あの手この手で突っ込んだ質問をすることで

1と2を探っているわけです。

 

では結局、どうすれば突っ込んだ質問にスマートに回答でき、内定がもらえるのか。

 

以上、「3つの採用ポイント」を意識した上で、

果たしてどうすれば内定がもらえるようなスマートな切り返しができるでしょうか。

 

やり方は簡単で、以下の「自己PR3ステップ」で

想定問答を作ればOKです。

 

ステップ1.突っ込まれるだろうフックを、自己PRに仕込むor見つける

ステップ2.フックに対する質問を考える

ステップ3.その質問への回答、回答に対するさらなる質問、それに対する回答…と考えていく

 

以上3ステップ、順番に見ていきましょう。

 

ステップ1「突っ込まれるだろうフック」

 

「自己PR3ステップ」のうち、ひとつめ。

 

突っ込まれるだろうフックとは、

特に頑張ったこと、特に苦労したこと、相手が知らない内容

の3つのどれかです。

 

例えば、自己PRが

 

「サイトを立ち上げ広告収入を得ることを、学生時代に特に頑張った。

 特に、ネットでモノを売るために、コピーライティングのスキルや営業心理の勉強を頑張った。

 毎日5時間作業しても全く成果が出ない、最初の3カ月が最も苦労した。

 でもそれを乗り切ったおかげで、月10万円以上稼げた。学生のバイト代としては十分だ。」

 

というものであった場合。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・特に頑張ったこと……コピーライティングのスキルや営業心理について。

・特に苦労したこと……毎日5時間作業しても、全く成果が出なかった3カ月間について。

・相手が知らない情報…どんなサイトを立ち上げたのかについて

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

この3つのどれかor全てに突っ込まれることが予想されます。

 

あなたも今すぐ、自己PRの下書きから

特に頑張ったこと、特に苦労したこと、相手が知らない内容

の3点を書き出しましょう。それが、面接官から「突っ込まれるだろうフック」になります。

 

ステップ2.フックに対する質問

 

「自己PR3ステップ」のうち、2つめ。

 

面接官は、あなたが先ほど書き出したフックに対して突っ込んだ質問をすることで、

あなたが「3つの採用ポイント」を満たしているかを探ってきます。

 

質問は基本的に、5W1H と What for?の中から

いずれかの形で質問されます。

 

5W1Hは、ご存知かと思いますが、

Who(誰)、When(いつ)、Where(どこで)、

What(何)、Why(なぜ)、How(どのように)、の6つですね。

 

What for?は「それは何のために?」と目的を問うものです。

 

では、ステップ1「突っ込まれるだろうフック」で書き出した

に頑張ったこと、特に苦労したこと、相手が知らない内容

の3点に対して、それぞれ予想される質問を

5W1H + What for?に基づいて考えていきます。

 

例えば、以下のように、質問が予想されます。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・特に頑張ったこと……コピーライティングのスキルや営業心理について。

 

Who?(誰)→「誰と勉強したの?」「誰にその勉強が必要だと聞いたの?」など。

When?(いつ)→「それはいつ頃の話?」「何年生の頃から、どれくらいやってたの?」など。

Where?(どこで)→「どこで勉強してたの?」「オフィスを借りたりしたの?」など。

What?(何)→「コピーライティングのスキルって、例えばどんなやつ?」など。

Why?(なぜ)→「なんでコピーの勉強を?」など。

How?(どうやって)→「どうやってコピーを勉強したの?」「どうやってこの2つが大切って知ったの?」など。

What for?(何のために)→「コピーは何のために勉強したの?」など。

 

・特に苦労したこと……毎日5時間作業しても、全く成果が出なかった3カ月間について。

(同様に考えてみてください。略します。)

・相手が知らない情報…どんなサイトを立ち上げたのかについて

(同様に考えてみてください。略します。)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

一見すると、予想される質問が多すぎて、イヤになると思います。

 

ですが…見て分かるように

明らかに「これはないなー」という質問も数多くあります。

 

そこで最後に、「これはないなー」という質問を全て消し、

残った予想質問だけ、紙に書き加えましょう。

おそらく、以下のようになるかと思います。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・特に頑張ったこと……コピーライティングのスキルや営業心理について。

 

Who?(誰)→「誰と勉強したの?」「誰にその勉強が必要だと聞いたの?」

What?(何)→「コピーライティングのスキルって、例えばどんなやつ?」

How?(どうやって)→「どうやってコピーを勉強したの?」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

こんなもんですね。

(特に苦労したこと、相手が知らない情報、に関しては略しました。)

 

以上が、フックに対する質問の予想方法です。

 

ステップ3.「その質問への回答、回答に対するさらなる質問、それに対する回答…と考えていく」

 

予想した「フックに対する質問」に対して、

3つの採用ポイントを満たす回答を考えてみてください。

 

3つの採用ポイント、覚えてますか?以下の3つです。

1.どこまで物事を深く考えているのか

2.どういう考え方をする人間なのか

3.1と2を総合して、自社が求める人材像なのかどうか

 

残った予想質問だけ、紙に書き加えましょう。

おそらく、以下のようになるかと思います。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・特に頑張ったこと……コピーライティングのスキルや営業心理について。

 

Who?(誰)→「誰と勉強したの?」「誰にその勉強が必要だと聞いたの?」

回答→「ネット広告ビジネスに詳しい人を、友人の紹介やFacebookを使って探し、

教えてもらいました」等

 

What?(何)→「コピーライティングのスキルって、例えばどんなやつ?」

回答→「大きくキャッチコピーとボディコピーに分かれるということ。

ボディコピーを書くには神話の法則を使う。

要所ではLF8と呼ばれる要素を入れる…」など

 

How?(どうやって)→「どうやってコピーを勉強したの?」

回答→「基本は、良いとされるコピーを写経することです。」など。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

こうして回答を作ったら、

またその回答に対して、5W1H + What for?の予想質問を考え

その予想質問への回答を考え…

 

とやっていけば良いのです。

 

これを、

質問1回目→回答1回目→質問2回目→回答2回目

くらいまで考えられたら、ほぼ完ぺきと言って良いでしょう。

 

ちなみに、ゴールドマンやマッキンゼーなどのトップ外資では

この質問の応酬を、5段階目くらいまで、

凄まじい速さと抜群の切れ味で繰り返すそうです…こえぇ。

 

ここまでくると、頭の良し悪し以上に、

普段から物事を深く考えているか、

という点が如実に浮き彫りになりますね。

 

5段階目まで直前の想定問答作成で乗り切るとか無理ですし、

5段階目までの想定問答が作れる人は

そもそも普段から滅茶苦茶深く物事を考えている人でしょうから。

 

まぁ、マッキンゼーを受けるのでなければ、心配はいりません。

2段階目まで考えておくので十分です。

万が一、3段階目の質問が来ても、

 

「そうですね~、当時はそこまで深く考えていませんでしたが

今思い返してみると、●●かなと思います」

 

などとお茶を濁せばOKです。これで十分。

 

てことで、

特に絶対に受からないと人生が詰んでしまう筆者のような多浪多留の方々は

ぜひ2段階目まで想定問答を考え、

面接で深みのある思慮深い人間であるアピールをしてみてください。

 

ものすごい好印象を得られること間違いなし、ですよ。

 

ではまたー。